アノオト

2014.06.30

「聞いてくれさえすればいい」を全力で体現したアイドル「BiS」、そのPVから個人的にオススメ5本

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スクール水着を着て観客にダイブ、全裸で森の中を走り回るプロモーション・ビデオ、新メンバーとしてコシノ・ジュンコを加入させる…これらすべて、とある「アイドルグループ」がやったことです。彼女たちの名前は「BiS」。繰り返しますが、アイドルグループなんです、本当に

さて、アノオトでは先日、BiSのプロデューサーを務める松隈ケンタさんにインタビューを行いました。その記事は「プロデューサー」というテーマでまとめたものですが、お話では当然、BiSのことも多く触れられていました。

型破りな活動は、リリースする楽曲にも通じます。ロックあり、スカあり、ノイズあり…と、いわゆるアイドルソングとは一線を画するものばかり。PVも坊主になったりゴキブリの衣装を着たりアダルトビデオ風に撮ってみたりと、従来の「アイドル」からは想像もできない作品のオンパレード。その活動には賛否両論が巻き起こり、僕らに「アイドルとはなんぞや」という疑問を投げ続けてくれる存在といえます。

この記事では、先日のインタビューを読まれた方をはじめ、まったく知らない人にも興味をもってもらうべく、個人的にオススメしたBiSのPVをまとめてみました。ぜひ「BiSという現象」を楽しんでみてください。

まずは、BiSのメジャーデビュー第1弾シングル『PPCC』。この曲とPVでBiSを知った人も多いはず(私もそうです)。バッキバキのロックサウンドに、スクール水着の彼女たちが暴漢たちに突撃するシーンは、何度見てもその「勢い」と「違和感」に熱くなれます。

次に紹介するのは「全裸PV」として話題を呼びに呼んだ『My Ixxx』。PVの公開は2011年ですが、2013年に発行された雑誌『Quick Japan』111号でも、再び全裸でのグラビアを載せています。メンバーチェンジを経て、突き進む彼女たちは、「最後まで初心を忘れない」という気持ちを込めたとのこと

「アイドルは羽ばたけるのか?」というテーマで作られた『Fly』では、ゴキブリを模した衣装をまとっています。「聞いてくれさえすればいいんだっていう気持ちがあって、彼女たちもそういう気でやってるから」とは、先日の松隈ケンタさんのインタビューでも挙がった言葉。その言葉を体現するかのようなチョイスではあります。

個人的にとても気に入っているのがこの『primal.2』。楽曲の切なさはもちろん、90年代に隆盛した個人撮影タイプのアダルトビデオをオマージュした映像は、アイドルという枠組みを外しても、見たことのない作品でした。実は、ギターとしてGLAYのHISASHIさんが参加しているという意味でもスゴイのですが、そのゲストにもこの映像を当ててしまう制作チームの勇気もスゴイ。

最後はラストシングル『FiNAL DANCE』。そう、BiSは、7月8日に横浜アリーナでの解散コンサートを迎えようとしています。これまでの活動からはどのような作品が来るかとおもいきや、バリバリの王道なアイドルポップチューン! この落差にはヤられます。

BiSはたしかにアイドルとして「異端」ともいえる活動や作品を残してきました。でもそれは、松隈ケンタさんがインタビューでも語ったように、意識的に「とにかく聞いてもらうこと」のためにチーム全員で手を尽くしてきた成果だったといえるでしょう。BiSはアイドルだけにかぎらず、ミュージシャンやクリエイターの戦い方として、1つのモデルケースにもなるのではと感じます。解散コンサートの先に何があり、どうなるのか。大げさかもしれませんが、1つの歴史が横浜アリーナに、僕らの記憶に、刻まれるのでしょう。

この記事をかいた人: 長谷川賢人

編集者、ライター。中学生でネットラジオを配信、高校生は放送部に所属、大学生でピュアオーディオに足を踏み入れ、社会人になって声優に熱を上げるなど、「音」まわりはずっと好きなこと。現在、ウェブメディアで働く傍ら、個人ブログ「wlifer」も運営中。