アノオト

2014.04.07

国産初のコンパクトCDプレーヤーが、アメ車的なクール感で欲しくなる

CDなんて過去の遺物だと、きっとみんなわかっています。音楽はデータでやりとりすれば、価格も安く、場所も取らない。ところが最近、私は少し「CDっていいな」と思うようになってきました。

聞きたいと思う曲を思い浮かべながらケースを開け、デッキにセットして、再生する。そこにはクリック1つで済んでしまう手軽さはありませんし、膨大な曲からのシャッフル再生もできません。だからこそ、順序正しく流れるCDには、どこか儀式じみた感情が伴います。ちょっと仕事に勢いをつけたい時や頭を切り替えたい時、特にこの「儀式」が効くんです。ちなみに、『ジョジョの奇妙な冒険』で有名な漫画家の荒木飛呂彦先生も、描くシーンに合わせてCDを選び、かける音楽を変えているのだとか。

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私もいっそ会社のデスクにCDデッキでも置こうか……と考えていた矢先、アノオトでも記事を書いている武者良太さんがステキな逸品を見せてくれました。それが、記事冒頭の写真にある国産初のコンパクトCDプレーヤーこと、SONY「D-50」です。

ほぼCD1枚分の面積に収まる大きさは、今見ると新鮮な驚きはないかもしれませんが、当時革命的だったといいます。金属のフロントパネルといい、角ばった“メカっぽさ”といい、見れば見るほどに一周してどこかクール。回転しているCDが見えるなんていう遊び心にもワクワクします。おそらくアメ車を乗り回すような感覚に近いのかも。このサイズであれば、会社のデスクに置いても邪魔にもなりませんし、うーん、欲しい…! ちなみに下の動画は発売時に流れたCMのようです。赤色もラインナップにあったのですね。

[youtube http://www.youtube.com/watch?v=a1PmFgLrBro?rel=0&w=480&h=360]

D-50が発売されたのは1984年ですが、1980年~1990年代に生まれた国産のオーディオ機器には、現在のラインナップにはないカッコよさが宿っていると感じます。中でも当時の高級品、いわゆる「バブル期オーディオ」といわれるものたちは、優れた部品が潤沢に使われているため音質もよく、また細部の作りにもこだわりがあります。例を挙げればキリがありませんが、個人的にはYAMAHAのCDデッキ「CDX-10000」は、サイドのウッドパネルやその重厚感、そして定評のある音質と、どれも「家に置いてみたい!」と思わせる一台です。

もっとも、D-50やCDX-10000だけでなく、それらのオーディオは古さゆえにメンテナンスが肝心。状態の良いものを手に入れるのも難しいものですが、そのあたりもまさに自動車と同じかもしれません。もし、あなたがいま、私と同じように「CDっていいかも」と思ってきてくれたのなら、それを再生する機器にも広く目を向けてみると、今あえての「CDで聞く楽しみ」が、グッと深まるかもしれませんよ。私はD-50に惹かれつつ、ヤフオク!でCDデッキをウォッチする日々を送っています。

この記事をかいた人: 長谷川賢人

編集者、ライター。中学生でネットラジオを配信、高校生は放送部に所属、大学生でピュアオーディオに足を踏み入れ、社会人になって声優に熱を上げるなど、「音」まわりはずっと好きなこと。現在、ウェブメディアで働く傍ら、個人ブログ「wlifer」も運営中。